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味の素と明治G、持続可能な酪農業へ協業開始。酪農でのGHG排出削減分をクレジット化し、酪農家の収入源に(2023.3)

 味の素㈱と㈱明治をはじめとした明治グループは、酪農・乳業において、GHG排出削減と経済価値創出を同時に実現する「J-クレジット制度を活用したビジネスモデル」の構築に向けた協業を開始した。なお、酪農におけるアミノ酸を活用したJ-クレジット制度のプロジェクトは日本初(味の素調べ)となる。

  近年、世界的な人口増に伴いたんぱく質の需要が増加する中で、生乳の生産・肉牛の肥育に伴う環境負荷に関心が高まっている。牛のげっぷから発生するメタン(CH4)、糞尿から発生する一酸化二窒素(N2O)といった酪農由来のGHG排出量は、全世界排出量の約3%を占め地球温暖化の原因の一つとされており、酪農家および乳業メーカーなどは早急な対応が求められている。さらに、昨今の飼料高騰などによって酪農家の経営は厳しいため、GHG排出削減とそれに伴う費用負担の軽減が課題となっている。

 このような環境において、味の素と明治グループは協業を通じて、J-クレジット制度を活用したビジネスモデルを構築する。本ビジネスモデルでは、味の素の乳牛用アミノ酸リジン製剤「AjiPro-L」を用いGHG排出量を削減する。本製品は、独自の製造技術により、通常では牛の小腸まで届きにくいアミノ酸を体内に効果的に栄養として届ける。一般的に飼料として使用される大豆粕は高たんぱくながら高コストで余分なアミノ酸も多く含むが、本製品を使用することで大豆粕などの飼料を減らしながら、不足するアミノ酸を補いバランスを整えることができる。その結果、乳量を維持しながら飼料コストを削減すると同時に、糞尿から発生する余剰な窒素を削減し、N2Oを削減することが可能となる。

 J-クレジット制度を活用するため、J-クレジット認証委員会に「乳牛へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌プロジェクト」の登録申請を行い、3月15日に承認された。今後は削減GHG排出量のモニタリングおよびクレジット化などのプロジェクトの運営を実施する。

 本プロジェクトは、明治グループと提携する北海道の農場で開始する。本ビジネスモデルでは、味の素が取得したクレジットを明治グループが購入し、購入したクレジット代金は酪農家へ支払われ、今後の酪農家の新たな収入源になる。また明治グループが購入したクレジットは明治グループのGHG排出量のオフセットに活用することで酪農業界全体のGHG削減に寄与することができる。
 今後は、明治グループと提携する農場を中心に参加する酪農家を募り、取り組みの拡大を図っていく。加えて「AjiPro-L」の使用により削減した費用の、CH4削減製剤の購入への充当等、新たなGHG削減策を農家のコスト負担を増やさず導入し、より大きなGHG削減を目指す。また、乳牛だけでなく肉牛での展開、そして海外での展開も検討していく考えだ。

詳しくは、→https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2023_03_27.html

 

2023-04-01 | Posted in トピックス |