トピックス,エネルギー編
IHI、シンガポール・ISCE2敷地で、CO2原料のSAFの小型製造試験装置完成の開所式を開催(2025.1)
IHIおよび同社のシンガポール法人IHI ASIA PACIFIC PTE. LTD.(IHIAP)は、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR:Agency for Science, Technology And Research)傘下の研究機関であるISCE2(Institute of Sustainability for Chemicals, Energy and Environment)と共同で、水素とCO2からSAFの原料となる液体炭化水素を合成する一連のプロセスを検証することを目的として、ISCE2の敷地内に、液体炭化水素を1日当たり5kg製造できる小型スケールの製造試験装置を設置が完成し、今後実証していく。1月15日、この稼働開始に伴う開所式をISCE2内で開催した。
本開所式には、シンガポールおよび日本の政府関係者をはじめSAFバリューチェーンに関わる石油・化学メーカー、航空会社、航空機メーカーなどの企業・団体から100名を超えるゲストが参加した。式では、開発したSAF製造技術の紹介や、商用化に向けた今後の取組みなどが紹介された。
国際民間航空機関(ICAO)は、2050年までに航空機のCO2排出を実質ゼロにする長期目標を掲げており、従来の化石由来の航空燃料の多くがSAFに置き換わることが想定されている。IHIは。これに応えるべく、CO2と水素から直接SAFを製造するための触媒開発と効率の良いプロセスの構築に取り組んでいる。
IHIとISCE2は,2022年にSAF合成の新触媒を開発し、これまでのラボ試験において世界トップレベルの性能を持つことを確認している。本試験装置の稼働により、合成プラントの運転条件の最適化や反応器データの取得などを行い、プロセス全体の検証を進めていく考えだ。
今後、様々なパートナーと協力してSAFバリューチェーン構築に向けた取組を加速していき、2020年代後半のASTM認証の取得、2030年頃の商用化を目指していく。

小型スケールのSAF製造試験装置
詳しくは、→https://www.ihi.co.jp/all_news/2024/technology/1201227_13684.html