研究情報
DOWAエコシステム、民間初となるバイオコークスの開発・製造・評価の一貫体制を構築(2024.11)
DOWAホールディングス㈱の子会社のDOWAエコシステム㈱は、同社環境技術研究所(秋田県大館市)において、化石燃料の代替として期待されているバイオマス固形燃料の一つであるバイオコークスの製造装置および燃料評価装置を導入し、民間企業としては初めて開発から製造・品質評価までを一貫して行える体制を構築した。今後、様々な原料を用いたグリーンな燃料の開発を加速させ、持続可能な社会の構築およびカーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指す考えだ。
近年、石炭コークスやその他の化石燃料の代替として、バイオコークスの本格的な実用化に向けた取り組みが進んでいる。DOWAエコシステムにおいても、木質系、農業系、廃棄物系など様々な原料を用いたBICの製造に関する研究開発にこれまで取り組んできた。また、2023年にはDOWAテクノファンドを利用した近畿大学バイオコークス研究所の井田民男教授との共同研究により、グループ内の廃棄物処理施設(溶融炉)で実施した試験において、農業系残渣を原料としたバイオコークスが石炭コークスの一部を代替可能であることを確認した。
バイオコークスのさらなる実用化に向けては、バイオコークスに適した原料の選定・調達に加え、使用する設備や操業条件へ適合させるための特性評価や、評価結果を原料や製造方法へ反映させることが課題となる。今回、DOWAエコシステムはBICの製造装置および燃料評価装置を導入し、開発から製造、品質評価までを一貫して行える体制を構築した。これにより、バイオコークスの開発を加速させることが可能とななる。加えて、バイオコークスはバイオマス原料以外に廃プラスチックなども原料として活用できることから、既存の廃棄物処理事業との連携により、廃棄物資源のさらなる有効活用が期待できる。今後は、DOWAエコシステム傘下の国内外拠点における将来的なバイオコークスの製造・販売事業の拡大も見据え、多様な原料サプライヤーやバイオコークスのユーザーとの関係構築を進め、安定的な原料調達や顧客ニーズに応じた製品開発を推進し、バイオコークスの普及拡大に取り組んでいく考えだ。
詳しくは、→https://hd.dowa.co.jp/ja/news/news20241106.html