トピックス

三井化学G・エム・エーライフマテリアルズ社、家庭用コンポストで堆肥化できる生分解性スパンボンド不織布開発(2024.5)

 エム・エーライフマテリアルズ㈱(東京都中央区)は、グローバルでのホームコンポスト需要の拡大に向けて、一般家庭のコンポストで堆肥化できる生分解性プラスチックを使用したスパンボンド不織布を開発した。
 2024年内に本不織布(レギュラータイプおよび熱成型タイプ)の生産体制を確立し、食品に接触する飲料用フィルターや包装材料、農業資材等、各産業分野における展開を目指す。今回開発した生分解性プラの特徴は、28℃程度のホームコンポスト環境下で不織布が生分解される点だ。生分解性プラが生分解性を発現する環境としてコンポスト、土壌環境、水環境などがあり、どの環境下で分解するかは生分解性プラの種類によって異なる。

 同社は、優れた技術力で社会のニーズを形にする世界の不織布リーディングカンパニーを目指し、三井化学㈱と旭化成㈱の不織布事業に関する共同新設分割により2023年10月に設立、営業開始。1970年代初頭より衛生材料分野から産業材料、生活資材分野に至るまで幅広い用途で独自性ある製品をグローバルに提供してきた両社の技術やノウハウを融合させ、シナジーの最大化を図る考えだ。日々のくらしに欠かせない不織布製品でのソリューション提供を通じて、社会課題の解決と人々のQOL向上貢献を目指す。

●ホームコンポストとは
 コンポストとは、菌や微生物の力を利用して有機ゴミを堆肥化させることであり、家庭から出た生ゴミや落ち葉などを肥料に変えて活用できる仕組みとして認知が広がっており、環境問題への関心が高い欧米を中心に需要が拡大している。生分解性プラのコンポストには、都市型ごみ処理場において工業的に高温でコンポスト処理する「インダストリアルコンポスト」や、一般家庭のコンポストで堆肥化が可能な「ホームコンポスト」がある。

●エム・エーライフマテリアルズの環境負荷に配慮した素材開発について
 エム・エーライフマテリアルズでは、環境にやさしいスパンボンド不織布「ECORISE(エコライズ)」を展開している。エコライズは、植物由来の生分解性プラスチックであるPLA(ポリ乳酸)を主原料としており、インダストリアルコンポスト条件下での生分解・堆肥化が可能。BPI(米)やTUV AUSTRIA(ベルギー)、JBPA(日)など国内外の認証機関の基準を満たし、“生分解性プラ”や“バイオマスプラ”に関する認証を取得している。高い均一性や通気性、柔軟性、熱プレスによる成型加工など多様な機能を付与できる特性は、お茶・コーヒーフィルターに使われる食品包装資材から農業・産業資材に至るまで幅広い分野で高く評価されている。

詳しくは、→https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2024/2024_0508/index.htm                       関連情報→https://www.malifematerials.com/jp/

2024-05-17 | Posted in トピックス |