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王子製紙米子工場に木質由来エタノール・糖液パイロット設備導入。2024年後半稼働予定(2023.5)
王子ホールディングス㈱は、王子製紙㈱米子工場への、木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備導入を決定したと発表した。設備概要は、木質由来エタノール 最大1,000kL/年 (重量換算820t/年)、木質由来糖液 最大 3,000t/年 (糖の乾燥重量) 、原料使用量は、木材チップとして約6,000 t/年、木材パルプとして約3,000t/年。稼働時期は2024年度後半の予定。
石油由来の燃料やプラスチックをバイオマス由来に置き換え、社会の脱炭素化に貢献すべく、同社は持続可能な森林経営で得られる木材を活かした、「木質由来の新素材」の開発を進めている。中でも、 航空業界向けSAFや、化学業界における基礎化学品製造に利用できる木質由来エタノール、様々な バイオものづくりの基幹原料となる木質由来糖液のニーズ拡大が見込まれる。
同社は、木質由来エタノールについて、2018年までNEDOプロジェクトに採択を受け、製造技術を進化させ、糖液についても、糖化酵素の回収を含む独自技術の開発に成功した。今回、パイロット製造設備を導入し、実用化を見据え、大量のエタノール・糖液提供を実施するとともに、継続した技術改良を行い、将来の事業化(2030年時目標:エタノールとして10万kL供給)に向けた取り組みを加速させていく考えだ。
なお、製紙工場内に設置することにより、既存のパルプ製造ラインが活用できることに加え、工程から 副産物として得られるリグニンをバイオマスエネルギーとして利用可能だ。これにより、CO2発生量を抑えたエタノール製造、糖液製造も期待できる。
2023-05-17 | Posted in トピックス |